リースバックは、購入したマイホームのローン返済問題の解決や 、老後資金を確保する際に検討される方法です。専門の不動産会社 などに自宅を売却し、リース料を支払うことで売却した不動産を利用し続けられます。本記事では、リースバック時の買取価格や家賃の相場、買い戻しが現実的に可能かどうかについてご紹介します。
INDEX
リースバックの買取価格の相場は?
リースバックで重要な要素となる買取価格や相場はどのように決まるのでしょうか。地域や築年数による違いも踏まえながら解説します。

一般的な買取(売却)価格の相場
リースバックの場合、一般的な買取・売却金額は同程度の不動産仲介市場価格と比べるとやや低くなり、70%~90%程度といわれています。これは投資用不動産の観点で考えて、利回りを重視する業者が買取価格を抑えようとするためです。そう聞くと売却する側が損をしているように感じますが、実際は低い金額で売却すると買い戻し金額を抑えたり、月々の家賃が下がったりといったメリットがあります。
地域による相場の差
リースバックの売却価格は全体的に同程度の不動産と比べると低い価格になりますが、地域によっても相場が異なります。
不動産業者や投資家など、リースバックで不動産を購入する人は、売主が何らかの事情で家賃の支払いが不可能になると、不動産を売却することで資金の回収を図ります。つまり、万が一の事態を考慮すると、売買しやすい物件の方が好ましいといえます。そのため、東京や大阪、名古屋などの都市圏や、人気が高く不動産売買の流動性が高いエリアはリースバックの売却価格が高くなります。一方で、流動性の低い地方で低くなる傾向があります。
築年数が古いと逆に有利
築年数によっても買取価格が変動し、当然、築年数が浅い方が不動産の価値が高く評価されます。しかし、リースバックの買取価格を判定する際は、不動産の価値だけではなく値下がりリスクも重要視されます。
築年数が経過している物件の方が今後の市場価格の下落リスクが低いため、不動産の価値と売却価格の関係性の面では有利です。リースバック後に10年間継続して居住し、不動産を売却するケースでは、築年数が浅い物件の方が価格の下落率が大きくなり、利益が減少してしまいます。
リースバックの家賃(リース料)の相場
リースバックのもうひとつの重要な要素である家賃の相場について説明します。利用する際に見落としがちなポイントでもあるのでしっかりと確認しましょう。

一般的な家賃の相場
リースバックの場合、通常の賃貸物件とは賃料の計算過程が異なるため、家賃の相場は同程度の物件と比べるとやや高くなります。しかし、一般的に住宅ローンの支払いよりは安くなる傾向があり、月々の支払い負担は軽減されるでしょう。
買取価格と家賃の関係
リースバックの家賃は、周辺不動産の相場ではなく物件の買取価格から算出されます。一般的に年間の賃料とされている買取価格の7~13%にあたる金額を月割りして家賃を求めます。
たとえば、リースバックの売却価格が2,400万円の物件で年間賃料がその10%とすると、月々の家賃は20万円(年間賃料240万円÷12)となります。売却によって一時的にまとまった金額を手に入れられますが、月々の負担は一般的な賃貸と比べて高くなることを頭に入れておきましょう。
家賃を安く抑える方法
リースバックの買取で資金を獲得できるものの、月々の家賃は相場よりも高くなる傾向があります。しかし、先述した通り、家賃は相場ではなくリースバック買取価格を参照していることを考慮すると、買取価格を下げることで結果的に家賃を抑えることが可能です。買い手との相談や交渉が必要になるかもしれませんが、この点は意識しておくとよいでしょう。
リースバックした不動産は買い戻せるか?
リースバックの際に気になるのは、売却した不動産が実際に買い戻し可能かどうかでしょう。そこで、このポイントについて検討していきましょう。
リースバックは再購入が可能
結論からいいますと、再購入は可能です。
売却後に同じ家でそのまま生活できるだけではなく、再購入も可能であるのがリースバックのメリットでもあります。ただし、すべての業者やケースで再購入が可能とは限らないため、再購入の可能性がある場合は業者選びの際に賃貸借契約の更新や契約中の第三者への転売の有無など、条件を確認しておきましょう。
買取価格と再購入価格に落差があり非現実的
制度としてはリースバック後の再購入自体は可能ですが、現実的に難しいのが実情でもあります。理由は、再購入時の価格がリースバック買取価格と比べると高くなるためです。不動産会社はリースバックにおける不動産の売買を収益の観点で判断するため、少なくとも損をする価格設定にはしません。購入時に必要になる登記の変更や司法書士への報酬、場合によっては利益を加算した金額で設定するため、再購入時の価格は売却額よりも高額になります。
リースバックは、根本的に一定の資金が必要になった際に利用する仕組みですので、リースバックの売却価格を上回る金額で不動産を購入できる経済力を持っている人は多くはないと予想されます。また、リースバック時より築年数が古くなっている物件を当時を上回る価格で購入するのは現実的ではありません。
再購入が引き下げられ再購入しやすいリースバックプラス+
最後に、再購入の可能性を残しておきつつ、リースバックを利用したい人におすすめの「リースバックプラス+」を紹介します。
「リースバックプラス+」は、一建設株式会社が提供するサービスで、一時的な資金の調達やローンの解消といった基本的なリースバックのメリットに加えて、将来的な再購入のハードルを下げてくれるのが最大の特徴です。
利用者のライフスタイルに応じて、2つのプランが用意されています。「標準プラン」では、リースバック時に更新可能な賃貸契約を結び、安心して同じ家に継続して居住することが可能です。しかも、住む期間が長くなるほど再購入価格が下がり、買い戻しのハードルが低くなっていきます。
もうひとつの「定期プラン」では、リースバック1年目の賃料が無料で、特にリースバック初期の経済負担を減らしたい人におすすめです。また、売却時に一時預託金を預けることで、毎月の家賃を軽減でき、最大で半額に抑えられます。一時預託金による家賃軽減は大きなメリットになるでしょう。
さらに、この2つのいずれのプランにおいても、充実したサポートがあります。家族の家計設計や高齢者への配慮など、リースバックを起点に「暮らしのパートナー」として支えてくれます。具体的には、 3年目以降に一建設の新築戸建てへ転居可能や、退去時キャッシュバック(制度)、ご高齢者安否確認コールやセコムホームセキュリティといったサービスが付帯しています。
リースバックは一般的に一時的な資金需要を満たすために利用することが多い仕組みですが、「リースバックプラス+」は家計の立て直しだけではなく、将来の暮らしを築いていく目的でも有効なサービスとなっています。
せっかく購入した夢のマイホームであっても、家計状況の変化などでローンの返済が難しくなることもあるでしょう。その場合、不動産を売却して一定の資金を手に入れつつ、同じ家に賃貸契約で住むことができるリースバックがおすすめです。特に、リースバックプラス+では、一般的なリースバックよりもさらに再購入のハードルが下がり、ライフスタイルや家計の変化に合わせて柔軟に対応してくれます。当面の資金繰りに加えて、将来的な家計設計も視野に入れて考えるのであれば、リースバックプラス+をチェックしてみると、よりよい進め方が見つかるかもしれません。
