リースバックには、「売却しても引っ越さなくてよい」「まとまった資金が手に入る」など、多くのメリットがあります。しかしその一方で、トラブルが起きる可能性があることも事実です。これからリースバックの利用を考えている方は、自身が被害に遭うことのないよう、あらかじめトラブル事例や回避方法を確認しておきましょう。
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リースバックのトラブル事例
リースバックはとても利便性のよい仕組みですが、それだけに後になってから「思っていたのと違った」という事態も生じます。ここでは、よくある5つのトラブルをご紹介します。リースバックを利用するかどうか、利用するならどのような点に気を付けたらよいかの判断にお役立てください。

家賃が高騰した
住んでいる途中に家賃が上がってしまったら、困惑してしまうでしょう。毎月リース料として支払う家賃は、家の売却額を元に計算されます。しかも、周辺にある同じ程度の住居の相場より高くなる傾向があるのです。それなのに更に引き上げられてしまっては、家計を圧迫することになるでしょう。
契約の時は「家賃は上がりません」と謳っていても、賃貸契約を更新しようとした際に値上げを言い渡されることもあります。もっと長く住むことを希望していたとしても、退去を選択せざるを得ないかもしれません。「しばらく住み続ける前提でリースバックにしたのに、こんなに短期間で引っ越すことになるなら、普通に売却してその時点で引っ越せばよかった」と後悔する方もいます。
契約の更新ができず、退去を求められた
家賃の値上げは、いわば緩い退去勧告のようなものですが、文字通り住んでいる部屋から退去を求められることもあります。それは契約更新ができなかった場合です。
リースバックは2年や3年などの契約期間を定めた「定期借家契約」で履行されることもあります。この契約では、定められた期間が終わると契約は終了したものと見なされます。双方が合意すれば再契約は可能ですが、オーナー側が拒んだ場合、借りている側にはどうすることもできません。
業績が悪化したなど貸主に何らかの事情が発生し、契約終了に伴い退去を求められたら、自宅から出ていくしかありません。
買い戻しに応じてもらえない
リースパックの契約を結ぶと物件の所有権は買主の業者に移りますが、後で買い戻しができるのがメリットです。将来的にお金が貯まったら買い戻しをしたいと考え、リースバックを利用する方も少なくありません。
しかし、買い戻しに関する契約をきちんと行わず、口約束のように処理していると、そもそも買い戻し自体を拒否されてしまうこともありえます。売却額時に伝えられていたのより高い金額を提示される恐れもあるでしょう。
ちなみに、買い戻し価格は手数料や諸費用を加味して設定するため、通常でも売却価格より1~3割ほど割高になります。買い戻す予定の方は注意してください。
結局リースバックができなかった
ローンを組む時のような審査ではないとはいえ、リースバックを利用したくても業者に断られることもあります。
リースバックを使うためには、現時点での自宅の評価額が、住宅ローンの残債よりも高いことが条件になります。つまり一定以上住宅ローンの返済が進んでいるかどうかが問われます。どうしてもリースバックを利用したいなら、ローンの残債と評価額の差額を現金で用意し、ローンを完済することで解決できるかもしれません。
勝手に売却されてしまった
物件を勝手に売却されてしまうのも、できれば避けたいことでしょう。リースバックをする時には「無断で売却はしない」という約束だったのに、会社や投資家の都合で違う業者に売られてしまうというケースです。
契約に書かれた内容は一般的に、新しい所有者にも引き継がれます。その代わり所有者は住んでいる人に相談や通知をせずに、自由に売却することが可能です。そのため、売却自体は違法行為ではありませんが、知らないうちに所有者が変わるのは、住んでいる側にとっては不安要素となりえます。
トラブル回避のための対策

目の前の悩みに追われ、勢いでリースバックの利用を決めてしまう方も少なくありません。しかし、こうしたトラブルを避けるためには、一度足を止めてデメリットも含めてじっくりと検討する必要があります。
契約書は入念に確認する
リースバックに伴って賃貸契約を結びますが、賃貸契約には2種類あります。「普通賃貸借契約(普通借家契約)」と「定期賃貸借契約(定期借家契約)」です。
普通賃貸借契約は、いわゆる一般的な賃貸の契約です。主に2年などの契約期間を設定し、基本的にはそのまま契約を更新していくものです。この契約では、借りている側の権利が重視されます。家賃滞納や建物の建て替えなど、特段の事情がない限りは貸主側から一方的な解約はできません。家賃の値上げも、第三者が納得できるような正当な理由が必要です。
それに対して定期賃貸借契約は、原則的に契約の更新はないという前提での契約です。契約期間が終了したら、借りている方は部屋から退去しなくてはなりません。リースバックで一般的に用いられるのは、定期賃貸借契約です。この点を誤解して普通賃貸借契約を結んだと思っていると、後になってトラブルの元になります。
自身の結ぶ契約が「普通」と「定期」どちらの賃貸借契約か、定期賃貸借契約だとしたら契約年数は必要な年数を満たしているかを最低限確認すべきでしょう。
信頼できる不動産会社を探す
リースバックのトラブルの原因は、契約内容を誤解していたり、契約自体が口約束でいい加減だったり、ということが大半です。契約については自分で確認することも重要ですが、そもそもしっかりと説明をしていない業者側にも、責任があると言えます。
そのため、信用できる不動産会社を探すことが大切です。複数の不動産会社に売却額や家賃(リース料)、買い戻し額を見積もってもらい、賃貸契約の内容なども含め、比較・検討をしましょう。
また売却する側の姿勢としても、リースバックを利用したい理由や希望の条件などを正直に伝えることが必要です。
リースバックを安心して利用したいなら「リースバックプラス」
一建設株式会社が提供する「リースバックプラス」は、今回ご紹介したようなトラブルを回避し、安心してリースバックを利用できるように工夫されています。以下のようなポイントがあります。
信頼できる不動産会社
一建設株式会社は、分譲住宅の全国シェアの約3割を占める飯田グループホールディングスの中核企業です。リースバックプラスは、住宅を売るだけではなく、その後の生活にも寄り添いたいという思いで開発されました。
家の買い戻し希望に応じた2つのプラン
リースバックは売却物件を買い戻せるのが特徴ですが、すぐに買い戻したい方と、そうでない方とでは、求める条件が異なります。そこでリースバックプラスには、当面買い戻す予定がない方向けの「標準プラン」と、早めに買い戻したい方向けの「定期プラン」とが用意されています。
先述したとおり、賃貸契約には普通賃貸借契約と定期賃貸借契約の2種類があります。リースバックプラスの標準プランでは、普通賃貸借契約を採用し、更新できるので何年でも安心して住むことが可能です。定期プランでは定期賃貸借契約を採用し、1年目の家賃を無料にするなど、買い戻し資金を貯めやすいようになっています。
数々のトラブルを補うための契約内容
いずれも最初にしっかりとした契約を交わすことで、途中で家賃が高騰したり、物件を勝手に売却されたりといった心配は要りません。それどころか、定期プランでは余った資金を預けることで、毎月の家賃を減額させることが可能です。また買い戻すことが前提のため、いざ買い戻しを希望した時に拒否されることもありません。
一方、標準プランでは普通賃貸借契約を交わすため、更新できずに退去を求められることはありません。また家賃を払う期間が長いほど再購入価格が安くなるという業界初のシステムがあり、最短でも10年間は下がり続けます。
リースバックは便利な制度ですが、利用のためにはいくつもの条件を確認する必要があり、それをおろそかにすると後でトラブルになるので注意しましょう。リースバックを依頼する際には複数の会社や契約内容を比較してから決めるようにしてください。
